| 1954年から1966年の13年間も製造されたM3は外観から判るような変更点だけでも20箇所以上も有り、目に触れない部分にいたってはおそらくそれ以上の変更箇所があると思います。普通M3は下のBCあたりで前期と後期という風に2期によく分けられていますが外観上で大きく分けても次の4期と考えてみる方が違いが良く分ります。
@視野枠セレクトレバーの追加。(#785801)
Aシャッターダイヤルがヨーロッパ大陸系列から倍数系列に変更されダイヤルの表面仕上げが艶のある仕上げから梨地仕上げになった。(#854001)
B巻上げが2回巻上げから1回巻き上げに変更され巻き上げレバーの長さが長くなった。(#919251)
Cストラップの吊り金具がドッグイヤータイプと言われる大型のものから普通の吊り金具に変更され、取り付け位置も前方に移動した。(#963001)
と大きく変わったのだが、これから分るように1回巻上げで視野枠セレクトレバーの無いものは無い。しかし普通の吊り金具になっている製造番号にもかかわらず2回巻き上げのM3は存在する。逆に2回巻き上げの古い製造番号の機種でも修理の際に1回巻き上げに交換されているものも多数あります。(2回巻き上げや1回巻上げでもスプリングタイプの巻き上げ機構のパーツが無いため。)
外観からでも同じM3と言ってもずいぶんと表情は違います。コレクション目的ではないので実際に使い易いのはどの時代に製造されたものでしょうか?ライカは手触りやフィーリングがもっとも大事と考えている方が多数おられることは承知の上で(私自身もスプリング巻上げ機構のスムーズさで最初のM3を選んだ口ですから)手触りやフィーリングと言った部分を除いて考えてみます。
また上記の4点以外で私が最も関心が有る変更点はレンジファインダーフィールドにノッチが付けられた事とファインダー接眼窓の直径が大きくなったことです。
レンジファインダーフィールドにノッチが付けられたのは1958年、M2が製造開始された時期(92万台以降)のようです。ノッチが付いたものが良いと思っているのではなくそれ以前のノッチ無しの方がファインダーは見易いのです。なぜならばノッチ無しの物の方がレンジファインダーフィールドが広いからです。ノッチの付いた物はその上下についたノッチ分の高さレンジファインダーフィールドが狭くなっています。M4やM5を使ったことのある方でしたらレンジファインダーフィルドが広いとどれだけ見易いか分ると思います。
もう一点のファインダー接眼窓の直径が大きくなったのは1960年(106万台以降)に8.5mmから11mmに変更されています。それにより接眼窓から目が離れても見易くなりました。メガネを使用している人なら最も考慮すべき点かもしれません。
ただ残念なことにこの2点を同時に満足させることは出来ません。レンジファインダーフィールドにノッチの無いものを選ぼうとすれば1957年以前(1958年製造にも少数あり)のM3になり、接眼窓の大きいものを選ぼうとすると1960年以降のM3を選ばなければなりません。このように悩みの種は尽きません。 |