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14.ライカな日(M5を買いに行く日) |
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| 今日は休日であるのでそれほど早く起きる必要もないのだが、いつもより目覚めがいい。
早く出かけたい心を静めてゆっくりとコーヒーを飲む。天気も快晴のようで気持ちのいい一日になりそうだ。
使い慣れた35mmを一本とACROSをバッグに入れて家を出る。
行き先は決まっている。先週の中古店散歩にM5の団体を見かけたO林カメラである。今までもO林で何度かカメラやレンズを買ったことがあり、接客態度もよく私の中では店の信頼性は合格点である。幾ら安くて良い品物が有っても不愉快になるような店はペケである。購入したカメラを見るたびに不愉快なことも思い出し、挙句の果てにはそのカメラまで嫌になりそうです。
電車が大阪駅に着くと目的の第2ビルへ、そしてショーウインドーの前へ、M3やM4に囲まれてクロームとブラッククロームのM5が5台こちらを見つめています。もうすぐ自由の身にしてやるからな!ただし一人だけですけれど。この中の1台が今日家に来る予定だ。店の方にお願いして3台あるブラッククロームを見せてもらう。そうブラッククロームが目当てである。M4以降の視野枠切り替えレバーとセルフタイマーレバーに付いたプラスティックの小片が嫌いなのですがブラッククロームだと目立たなくて許せるのです。
カウンターの上に並んだ3台のM5・・・至福の時間です。
いつもライカの中古を買うときのように順番にチェックしていきます。シャッター音の確認、実際にシャッターが開いているかバックドアも開けて確認する。シャッター音は128万番台のM5が一番静かでライカらしい音である。次が135万番台が静かであるが巻き上げに少しゴリゴリ感があった。そして137万番台のM5だけは金属幕のシャッターの様な響きである。筐体に響くような音なのである。今までM型のカメラでこのような音を聞いたことが無い。スピードに問題はなさそうだがう〜んという感じである。そのとき、はたと気が付いたのであるが、これはもしかしたらシャッターブレーキが効いていないからではないか・・・。シャッターブレーキが効いていないとするとシャッタードラムは高速のまま激突している訳でシャッター音も当然大きくなるし金属的な響きになることが想像できる。きっとこれに間違いないと結論を出す。(本当は違うかも?)これで137万番台の個体は選択肢からは省くことにした。
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セルフタイマーレバーのプラスティック部品が
欠落している以外は外観に問題なしです。
欠落位置が大好きな写真家北井一夫氏のM5と同じでちょっとうれしい。
氏の写真集「北京」はM5とエルマーで撮影されています。
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次は肝心の露出計のチェックですが受光素子のCdsが経年により動作しなかったり不正確になっているという話しをよく聞くのでこのチェックだけは時間を掛けるつもりでしたが「案ずるより生むが安し」の喩えではないが3台のM5の露出計は正確に表示していた。たまたまなのかもしれないが3台共同じ指示をし針一本分のバラツキも無いのである。驚きです。指示に差が有ったり針がフラフラと振れるような事を想像していたので、メンテナンスや交換をしてあるのかもしれませんが30年以上も前の機能が正確に動作していることは驚きです。恐るべしライカ!違いがあるとすれば指針の動きに差があるくらいです。元々指針の反応が早い方ではないのですがスーっと動く個体とよっこらしょと動く個体が在ります。言葉にするとこんな感じですが、その差は気にして見ていると分かるという程度です。フィルム感度設定ダイヤルの動作にも問題はなく感度を切り替えると絞り指針も同調して移動します。輝度の違う所へカメラを向けると明るさに応じて指針が変化します。一番心配だった露出計に関しては3台共合格でした。
そして最後にファインダーですがどれもクリアーなファインダーでブライトフレームも問題なく距離計の像も同じ様な濃さで見えています。ファインダーも問題は無いようです。外観の美しさでは137万番台、135万番台、128万番台と製造番号順(製造年の新しい順)に綺麗でした。特に137万番台の個体はスレも無く本当に綺麗でしたが先ほどの理由でこれは没です。
そして購入するのは一番古い128万番台に決めました。製造番号から吊り環は2吊りのはずなのですがメーカーで3吊りに改造されているM5です。外観の美しさより何より決定付けたのはやはりシャッター音です。今使用しているM3、M2と同じ種類の静かな(といってもM3、M2よりは幾分大きな音です。)シャッター音がシャッター機構が正確に動作している証のような気がします。
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本体の購入と同時にバッテリーアダプターも購入しておきました。オリジナルの酸化水銀電池は製造も中止していて手に入りません。代用電池は発売されていますがどこにでも置いてあると言う物でもありません。関東カメラサービス製のアダプター(MR-9)はこれを使うことによって酸化銀電池SR43、アルカリボタン電池LR43の電圧を1.5vから1.35vに下げサイズもオリジナルの電池の寸法になります。電圧が寿命間近まで維持できるSR43の方が露出計には有利です。LR43、SR43はどこのコンビニでも手に入りますし、ランニングコストも安く付きます。M5やCL、CLEを購入する時にはアダプターも一緒に購入することをおすすめしますが電圧変換をしない電池の寸法を合わせるだけのアダプターもあるので購入時には要チェックです。
包装を待つのももどかしく 店の外に出てベンチに座ってレンズを装着しフィルムをセットします。そして大きく深呼吸。私の元にM5がやって来ました。
手に持って見るとやはり他のM型より大きいですが手に余るようなことはありませんし気になった重さはそれほど重く感じませんでした。尤もCONTAX RTSVの様な大型のカメラと比べればどうってことは無いです。シャッターダイヤルもボディから少しはみ出しているのでファインダーを覗いたままの姿勢でシャッター速度の変更が他のM型のように指で摘みながら回すのと違って人差し指一本で容易です。普段も絞り優先的な使い方をしているので快適です。チェックの意味もかねて露出計の表示にしたがって撮影します。いつも露出計の無いM3やM2を使っているのでファインダーを覗く前に絞りとシャッタースピードをセットするのですが、はたしてファインダーを覗くと2本の指針が交わります。普段の露出値の設定がかなり正確に出来ているのに気を好くしながら撮影続行です。そして明るい空の方にファインダーを向けたとき・・・距離計の表示部分(レンジファインダーフィールド)に外周部から中心に向かって無数の網膜の血管のような物が見えます。少し暗い方に向けるとそれほど気にならなくはなりますが逆光気味の方へ向けるとすごく気になります。毎回ファインダーを覗けばその部分に集中する訳ですから気になりだしたらもうだめです。店でチェックしたときには気が付かなかったのに・・・ショック。 |

銀一のレリーズボタンを付けてみましたがストロークが深いので
もう少し厚みのあるボタンがいいかもしれません。
手前に写っているのが
関東カメラサービスのバッテリーアダプターMR-9。
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シリアルNo.1357172 1973年製です。
今使っているM3、M2より15年も!新しい。
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直ぐにその場から先ほど貰った名刺を取り出して担当してくださった方に電話をし、状態を話すと快く交換しますとのこと。撮影途中のフィルムを巻き戻してまた店に逆戻りです。そして2番目に状態がよかった135万番台と交換していただいたのですがそのときの担当者の言葉は、「気になる所があると愛着が湧かないから納得できる物を買って大事に使って貰いたい。」とのことでした。大変ありがたい言葉でした。価格も135万番台のM5の方が高いのに差額はいいですよと言って頂き、気持ち良く交換していただいただけでもありがたいのに値引きまでしてもらったことになってしまい大変恐縮してしまいました。
シャッターの巻上げのスムーズさと音のよさでは128万番台のM5の方がやっぱりよかったです。128万番台のボディーと135万番台のファインダーの組み合わせのM5があればベストなのですが値段との兼ね合いもありますし、まぁこんなものでしょう。希望的観測ですが使っている内によくなってくるでしょう?
今回の購入を見合わせて他を探せばもっといい物も在ったのかもしれませんが外観が綺麗で動作もスムーズだからといって本当に故障知らずのいい物かどうかは分からないものです。中古品の場合はめぐり合いですからね。
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| 内臓露出計はやっぱり便利です。基準になる露出を決めて撮影するのでファインダーを覗くたびに露出を合わせる様なことは無いのですが露出に迷った時には良きアドバイザーになります。そして今回初めて判ったのですがM6や他のカメラと違ってシャッター半押しで測光するのではなくフィルムを巻き上げた時点で測光を開始しています。シャッターボタンを押し込んでいくとその動きに同調してCdsの付いた腕木が下がっていきシャッターが切れる間際にはほとんど腕木はレンズの光路から外れそしてシャッターが切れる瞬間に勢いよく倒れこみます。(この様な動作でシャッターを切った時のタイムラグを最小にしているのでしょう。)測光時シャッターボタンに触れると(指が乗っている位では大丈夫です。)Cdsがレンズの中心からずれて正確な測光が行われないのでM6と併用すような人は特に注意が必要です。またこの腕木の操作を行うためにシャッターストロークは深くなっています。
M6の発光ダイオードの表示と違って指針式は脅迫感が無くていいですねM6の発光ダイオードの表示の場合は赤い色も手伝ってか「間違っている」と言われているようでドキドキするのであまり目を合わさない様にしています。(笑)この様にフィルムを巻き上げた時点で測光しているので他のM型のように撮影中、常にフィルムを巻き上げて次の撮影に備えるというスタイルではなく撮影直前にフィルムを巻き上げるという使い方になりそうです。(露出計が生きた状態でM5を持ち運んでいるとバッテリーの消耗以外に何か害があるのでしょうか?解かる方が居られましたらおしえてください!)
交換してもらったM5で撮影しながらの帰路。天気もいいし、良い気持ちで購入出来たこのM5とはこれから先いい相棒になれそうだ。そしてこのM5にふさわしいレンズは・・・と不遜なことを考えているのでした。
P.S. 使用感 (フィルムを10本ほど通してみて。)
露出計は全く問題なく正確に動作しています。巻き上げのガリガリ感もだいぶマシになってスムーズになってきましたしシャッター音も僅かですが静かになりました。やっぱり使ってあげるのが一番いいことですね。ただレンジファインダーフィールドがM6の様に光の加減によって見難くなることがあります。(M6ほどひどくはないが)M5にはM4と同様にファインダーユニットに乱反射防止用のレンズが付いているはずなのですが、この個体の問題なのでしょうか?旧エルマーのように絞り操作のしにくい回転ヘリコイドのレンズを使うときにはシャッターダイヤルが指一本で回せるM5は大変使いやすいです。 |
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