10.カメラバッグ選び

 

 皆さんはどのようなバッグを使っていますか?
 一眼レフ、大口径ズームを使っている人とライカの様な小振りなカメラを使っている人とはおのずと使うバッグは違うでしょう。それで今使っているバッグに満足していますか?なかなか気に入った物が入手出来ずに色々な物を買って、物入れや押入れを開けるとゴロゴロという状況になってはいませんか?これは私のことでもあります。
 バッグの基本は収納した機材が痛まずに運搬出来ることでしょうが、貴方は何を基準に選択していますか?
これからカメラバッグを購入しようと言う人の一助になれば・・・。

 
1.持って行く機材の寸法を知る。

 たとえばカメラ2台と交換レンズ4本を持って行くとします。手元にあれば目の前に置いて見ましょう。ボディとレンズを立てて並べた時の嵩と、ボディにレンズを装着した状態で収納したとした時の嵩を比べて見ましょう。ずいぶん違うでしょう。撮影中に同じレンズを別のボディに使う場合を除いてレンズを外してボディキャップをして別のボディを取り出し又レンズをセットし直すような事は面倒なので撮影中はレンズを装着した状態でとっかえひっかえになるのではないでしょうか。撮影中はカメラを首や肩に掛けたままでバッグに仕舞わないという人以外は、レンズを装着した状態で楽に出し入れできる寸法が使い易いですよ。

 
2.素材の違い。

 素材にはアルミやジェラルミンなど金属材料を使ったハードケースと、革、木綿、ナイロン等柔らかい材料を使った物とあります。世界各地の秘境に出かけたり国内でも長期間車で移動する様な撮影行をする人以外はソフトな素材のバッグでいいでしょう。革製品は長く使っているといい風合いが出るのですが、手入れを怠っているとぼろぼろになってしまいます。しっかり出来た物は相対的に重い物になってしまいます。
 キャンバス(木綿)で出来た物は古くなってもいい風合いになるのですが防水性が落ちてしまいます。裏にゴム打ちをしている物でもひび割れた所から水がしみてきます。ナイロンなど化学繊維を使っている物は防水性も長持ちし軽量に作れます。色も鮮やかな色使いの物があります。ただ古くなってくると風合いは無くただくたびれて来るだけです。どの繊維素材の物でも染料で染められている物は雨、摩擦や紫外線で色落ちや色移りするので注意してください。

 
3.撮影スタイルの違い。

 三脚を据えての撮影が主になる場合は、機材の量も多くなり重くなりますので丈夫な作りの物が必要です。長距離を移動する人は機材の出し入れは少し不便になりますが、デイバッグタイプもいい選択かもしれません。濡れた地面に置くことも多いので底面の防水性は大事です。又置いた状態で機材の出し入れをする事が多いのでしっかり立っている事も必要です。
 スナップ撮影の場合は移動しながら機材の出し入れをしたり、1日中肩に掛けていたり腰に止めていたりする事が多いので出し入れのし易さと共に肩からずり落ちにくい等疲れない事も大事です。

 
4.メーカーで選ぶ。

 カメラバッグ専門メーカーかファッションメーカーかという事なのですが、カメラバッグ専門メーカー製は中身(カメラなど機材)の保護という観点からはやはり一日の長が有りますし使い易く出来ている物が多いのですが、逆に使い方が限定され融通が利かない物もあります。デザインはさすがにファッションメーカー製に歩があります。鮮やかな色使い等使っていて楽しくなりそうなバッグもたくさんあります。最近の製品はカメラバッグ専門メーカー製もデザインの良い物が増え、又ファッションメーカー製もデザインだけではなく中身の保護や使い易さも工夫されていて両者の垣根が無くなって来ました。

 

独断的メーカ評

@.ドンケ(DOMKE)

 米国の報道カメラマンのジム・ドンケ(Jim Domke)氏の発案でプロの報道カメラマン用として開発した物で撥水性のあるキャンバス地で出来ており使っていると味が出る。デザインより耐久性重視の作りですがそこがまたかっこいい。シンプルなデザインで地味な感じの物が多い。小振りなバッグは少ない。何故か私はドンケのバッグをいつも選んでいるようだ。店頭に着くまでは別のバッグを買うつもりでいるのですが、本当に不思議です。ドンケの呪い?

 

A.テンバ(TENBA)

 元山岳写真家のロバート・ワインレブ氏の経験から生まれたバッグメーカで耐水性、耐磨耗性に優れたコーデュラナイロン製のバッグを商品化したメーカです。スナップ撮影によさそうな小振りのTENBA2はフラップの付いたタイプでは無くバッグの上部がジッパーで開閉できるので出し入れが楽です。アルティザン・アーティストにも同様のデザインの物がある。大型のデイバッグは専門メーカーらしくさすがに使いやすそうです。AF一眼レフ、大口径ズームレンズと共に高齢者御用達のメーカーになった感がある。

 

B.ビリンガム(BILLINGHAM)

 英国生まれのトラディショナルなデザインのバッグです。コットンキャンバス地の間にゴムが挟まれているので防水性も○です。HADLEYのシリーズが一番かっこいいです。皮製のモデルもあるが高い!最初はこのモデルのオリーブ色が欲しかったのですが使っている人も多く、人と違った物が欲しい自分としてはいつも二の足を踏んでしまう。でもライカスナップ用としては使いやすそうです。服装にまで気を使わなければならない様で、バッグのトラディショナルさに着いていけない私です。

 

C.フォッグ(FOGG)

 上記のビリンガムに勤めていた人が独立して出来た会社。最初はイギリスにありましたが現在はフランスに会社があります。素材と作りはやはりビリンガムに似ています。金具は無垢の真鍮でシリアル番号がバッグ一台一台に焼き印されていてライカ用にふさわしいかも?商品名に楽器の名前や音楽用語を使った物が多い。作りもいいけど値段もいい。
ビリンガムと同様に使い古せば身に着くのだろうけどもそれまでは借り物の様にバッグだけが浮きそうだ。身分不相応ってことかも。

 

D.アルティザン&アーティスト(ARTISAN&ARTIST)

 ヘアーメイクやスタイリストのためのバッグから始まったメーカーだけあっておしゃれなバッグが多い。頼霞(らいか)流家元の高梨豊氏や金属カメラ愛好家で作家の赤瀬川原平さんの使用バッグもこのメーカーのACAMシリーズです。
上面ジッパーは絶対出し入れには便利だと思う。ほしいかも?

 

E.f.64

 アメリカの芸術写真家集団(f64グループ)の名前が付いたバッグ。とにかく絞りを図案化したマークとf.64の刺繍がかっこいい。どちらかと言うとドンケと同じ様にフォトジャーナリスト向きかも材質はナイロン繊維なのでドンケより軽量に出来ています。マークとロゴが、ホントかっこいいんだなぁ。

 

F.マリメッコ(MARIMEKKO)

 フィンランドからやって来たおしゃれなバッグ。女性が持てばいいかも。レモン社オリジナルのMICRO2のデザインはいただけない誰が決めたのか知らないけどこれは売れないでしょう。これもアルティザン&アーティストと同じ様に上面にジッパーが付いており使用感はよさそう。原色のバッグは見ていると格好いいんだけどおじさんが使ってもかっこいいかなぁ。真っ赤なバッグなんか良いと思うんだけどいざ買うとなると黒色や紺色になってしまう今日この頃。

 

G.タムラック(TAMRAC)

 バックパックスタイルのカメラバッグが充実している。古くからプロ用バッグを作ってきただけあって大変丈夫です。本格的な撮影向きのものが多い。ここのバッグも年配の方の使用が多い、たぶん写真グループの指導者が勧めるんだろうな。

 

H.クランプラー(CRUMPLER)

 オーストラリアのバイクメッセンジャー3人が始めたバッグメーカー。基本的にはショルダータイプだが肩にたすき掛けするタイプ。カメラバッグはコーデュラナイロンを使用しておりかなり丈夫な作りになっている。以前、国内では銀一でしか手に入らなかったが最近は色々な店にも置いているので手に入れやすくなった。買ったはいいけどかわいくないなぁ!バッグじゃなくて私がですけど。

 

I.プラット(PRAT)

 レザー製のショルダーバッグとデイバッグ風のものがおしゃれです。かわいい女の子が三角形のデイバッグからM2なんかを出したりしたら、かっこいい!黒色の牛皮製は落ち着いた感じですがショルダーはライカおじさんが持つとただの会社員に見えそうです。

 

現在使っているバッグのお話

 一眼レフ用にF−2の黒、スナップ用にF−803SATCHELのタン色を使用しています。どちらもドンケ製です。
どちらもドンケということで選んだ訳ではないのですがシンプルで飽きない物、丈夫そうな物、長く使っていて風合いが出る物と選んだ物がたまたまドンケとなった訳です。
 F−803を買った時などはビリンガムのハドレーを買いに行ったのですが店で色々見ている間にドンケとなったのでした。両方とも素材はキャンバス地です。ショルダーベルトも滑り止めゴム糸を編みこんでいるのでショルダーパッドを使った物の様にパッド位置を気にすることも無く使いよいです。どちらも体に馴染むので肩に掛けやすい。
 F−2にはCONTAX RTSVと167MTのボディ2台と50mm、135mm、180mmの単焦点レンズ、VS28mm〜85mmを中心にしたシステムに使っています。これにいつも三脚を持って出かけますがこのシステム時の移動は車です。
 F−2は地面に置いた時も姿勢が低いので安定します。フラップもガバッと開くので出し入れも楽です。バッグの左右についた小物入れもマチが大きくこれも出し入れは楽です。底はキャンバス地のままで石突も無いので濡れた所に置くのはちょっと心配です。尤も5年以上使っていますが内部まで染みた事はありません。これからもっと古くなってきた時にはどうなんでしょうかねぇ。
 F−803はライカMボディ1台〜2台、交換レンズ3〜4本、フィルム、小物類を入れて使っています。ボディにレンズをセットしたまま入りますが、90mmクラスのレンズをボディにセットしたままだとちょっと辛いです。フラップ部分に付いているジッパーのある2個のポケットは二つ折りの財布や携帯電話がやっと入る大きさですがマチが全く無い上にバッグの上部取っ手の部分に硬い板が入っていることもあり指が2本やっと入る位いの隙間しか開かないので小さな物が底まで落ちた時の取りにくさといったら、手の大きいアメリカ人は何入れに使っているのでしょうね。
 もう一台のバッグはクランプラーの15ラブ(FIFTEN LOVE)です。今は大阪でも扱っている店が有りますが当時は銀座の銀一だけでした。仙台出張の折に東京で途中下車して購入した物です。
 コーデュラナイロンで出来たものですがかなりハードな骨が入ってると見え、指で押した位ではへこみません。郊外のスナップ撮影にと購入しました。山道で後ろにひっくり返っても中のカメラを守ってくれそうです。(お蔭様でまだ試したことはありません!)ショルダーと言えども背中に背負うタイプなので出し入れは少し不便です。私のようなおじさんより若い女性に似合いそうです。
 あっ、そう言えばもう一個カメラバッグ使っています。f.64のLBXです。このバッグは普通のブリーフバッグでパッド類は入っていません。最初はスナップ用と言うことで購入しハクバのインナーパッドを入れて使っていましたが、スナップ用としては少し大きすぎたのと柔らかすぎて重いカメラやレンズを入れて歩いている間に体に沿って丸く折れてきて(この説明、わかります?)歩きづらくなります。バッグ自体に剛性が無いためだと思います。A4ノートブックコンピュータが入るサイズで今は日常に使用しています。

画面奥f.64 LBX
中段左DOMKE F−2 右Goodwin
手前左CRUMPLER 15LOVE 右DOMKE F−803
並べてみると地味ですねぇ。
今度はもう少し明るい色を選ぼう。
このあとDOMKE F−803は友人に嫁入り、
Billingham Hadleyが参入。

 本当にカメラバッグ選びは難しいですね。
良いと思っても使っている内に使い難さだけが気になってしようが無いです。それでまた他のを買って、また買ってと繰り返して、押入れの中は使わないバッグで一杯になってしまいます。
 うんうんと頷いている あ・な・た。 これってカメラ選びより難しいかも。
 誰か良いバッグがあれば教えてください!

P.S.ビリンガムのハドレーやっぱり買ってしまいました。オリジナルハドレーですがラージハドレーのほうが使いやすかったかなともう後悔しているだめなわ・た・し。