6.コンタックス RTS

 

 コンタックスといってもライカと大戦争をしていた頃のコンタックスは知らないし、結果はコンタックスが東と西の勢力圏に分割されて最後まで戦わずしてライカが勝利を収めたようなのだか、私の知っているコンタックスはヤシカ、ツァイス、ポルシェデザインのコンタックスです。京セラのコンタックスです。長い沈黙を破ってでてきたのがコンタックスRTSです。ボディは日本のヤシカ(京セラ)が製作し、レンズはあのツァイス、ボディデザインはドイツのポルシェデザインです。それまでの一眼レフカメラと違って洗練されたデザインで華奢な感じで病気がちの美女タイプでした。デザインだけではなく彼女は本当に病気がちだったのです、そう故障の噂が絶えない名機でした。病気がちの美女に何とか手を差し伸べてあげたいと思うのは世の男性の常ですが、差し伸べる手(お金ですね)がなかなか存在しないのでそのうち疎遠になったのですが彼女は自力で病に打ち勝ってRTSUとなって蘇りました。


CONTAX RTS(1975-1985)
 

CONTAX RTSU(1982-1989)

 彼女は蘇りましたが私のような下々の者には相変わらず高嶺の花でした。今ならとっても性格のいいかわいい子だったと思う139Qや159MM嬢も当時はRTS嬢に目が眩んでいたため目に入らずどうせCONTAX村の娘さんとお付き合い出来ないならとCANON村のF-1嬢とお付き合いしたものです。
 そして時代も変わりRTS嬢も三代目RTSV嬢の時代になりました。三代目はそれまでのRTS嬢の中では一番のグラマーで手に余るサイズになりましたがそのようなプロポーションが流行りの時代でした。AF全盛の時代にMFの牙城を守る旗手でありました。それまで二代のどちらかと言うと華奢な美女からジャンヌダルクのような女性に生まれ変わりました。 この頃にはわが国もバブルとかで経済状態が良好な時代となりやっと三代目RTS嬢と婚礼の運びとなったのであります。
めでたしめでたし。

 

 初代のRTSが生まれたのは1975年、ニコンはF2キヤノンはF-1の時代です。どちらも無骨ともいえるデザインでした。そこに登場したのがRTSです。デザインはポルシェデザイン、ボディはヤシカ、レンズはツァイスという豪華な組み合わせでヤシカ(現京セラ)が社運を賭けて発売したものです。デザインはニコンやキヤノンのように戦場のカメラ的要素はまったく無く美しいものです。内部は外観とずいぶん違って電子式カメラの黎明期らしく配線がグチャグチャと走っています。今のように何層にもなったフレキシブルな基盤の製作が覚束なかった時代の産物です。また電子回路には半固定抵抗も多用されていて耐久性を低下させています。2代目は電子回路を見直し半固定抵抗も極力減らした設計になり耐久性の向上を図りました。そして3代目はよりいっそうの高品質部品を使って電子回路を製作していてそれまでのRTSの弱点だった”いいカメラだけどすぐに壊れる”という汚名を返上しました。3代目の何よりの特徴はRTV(リアル・タイム・バギューム)システムというフィルム吸引機構です。フィルム圧板にフィルムを吸着して平面性を確保するというもので35mm判にそこまで必要かどうかは別として各社がAFカメラに移行していく時代、MFカメラとしてカメラの基本を考えられる限りの技術と努力で作り上げたカメラです。

 販売中止はアナウンスされていませんがRTSWが作られることは無いでしょう。時代が彼女の出現を阻んでいます。おそらくこれ以上の35mmMF一眼レフカメラは生まれることは無いでしょう。


CONTAX RTSV(1990- )