1.初めてのカメラ

 あなたが最初に手にしたのはどんなカメラですか?
私の場合は父に買ってもらったフジペットが最初のカメラでした。フジペットとは、1957年(昭和32年)に、フジフィルムが発売した初心者向けブローニー判フィルム使用の低価格カメラです。
 
フジフィルムはカメラ本体で商売をしようとした訳ではなくフィルムの拡販が目的でした。当時の定価は1,950円(当時のサラリーマン家庭でこれを子供に買い与えることは結構大変だったと思います。月給が1〜2万円位だったと思う。)で、ボディカラーは“赤・青・緑・橙・黒”、5色のカラーがありました。私の持っているのは緑色の物です。

 当時は爆発的に売れたらしく、ものの本によると、当時のカメラ販売記録を打ち立てたらしい。 焦点距離75mmの単玉F11レンズが収まっています。露光速度切り替えは1/50秒とバルブ、二つのモードしかありません。シャッターは普通のカメラと違って、“1”と“2”と表示のあるレバーが2個付いていて右がシャッターチャージレバー、左がシャッター解除レバーです。シャッターはコッキングするということを始めて覚えたのもフジペットです。もっともコッキングという言葉を覚えたのはもっと後ですが絞りは解放がF11で、目盛りはF11、F16とF22があります。絞り羽根は2枚で形状はL字型の鉄板です。L字型に囲まれた正方形の大きさが3段階に変化します。

 いま中身を見るとよくこんなもので映るものだと感心しますが写真機の基本がよく解ります。
 当時は廉価版のカメラとして発売されていた為、各家庭で大切に扱われなかったのか、大量に生産された割には、現存している個体が少ないみたいです。
 実際にきちんと動作するものは中古カメラ店で思わぬ高値が付いていたりしてびっくりします。

 写真好き、カメラ好きの今の私の原点とも言えるカメラです。愛嬌のあるスタイルとビニール製のストラップが今見てもとても可愛いカメラです。

 
フジペット(フジ写真フィルム製)

 小学校5年の臨海学習(この言葉も懐かしい、今の小学生も行くのかな?)に持っていって和歌山県下津港に浮かぶタンカーや古い旅館の入り口などを写真に撮っています。
 
小学5年の夏ということは1963年(昭和38年)に使っていた記憶も、写真も残っているがそれ以前の写真がないところをみるとこの頃に買って貰ったのだろう。中学生の頃には小西六(現コニカ)の一眼レフを使っていたから2年間ほど使っていたことになる。

 最初のカメラがブローニー判だったとは、まだ35mmフィルムが普及する前だったのね。
開放がF11シャッター速度1/50秒固定のカメラで露出計も無しで、結構ちゃんと撮っていたんだね当時は、結構すごいことだったりして。機械の助けを借りなかったあの頃はきっと今よりも光に敏感だったんだろう。