one's own work

 2.プリント・ウォッシャー

   
     

1.材料

   

 本体は5mm厚、仕切り板は2mm厚の押し出しアクリル板です。全紙が10枚同時に洗浄出来るものを作ります。
 細かいもの以外、寸法精度が必要なものは富山の材料屋さんに発注しました。すべて接着で加工するので材料の直角と切り口の仕上げが重要です。自分で加工しようとすると直線に且つ直角に切る事は至難の業です。加工場にお願いするのが肝要です。切り口は接着のことを考えてミガキかプレーナー加工にしておきます。

  とみしま製作(http://www.tomishima.co.jp/index.html)は値段も安く良心的な製作所です。ホームセンターや東急ハンズで購入する1/3位の価格で購入できますし加工もお願い出来ます。


2.ノズルの加工

   
 ノズルの加工です。理想的な水流を作り出すキモとなるところです。直径2.7mmの穴を10個あけます。なぜ直径2.7mmかと言うとNOVAアーカイバルウオッシャーを参考にしたまでです。ヨドバシで現品を眺めて3mmよりは小さそうだが2.5mmより大きいようだなと・・・キモになる部分の割にはいい加減な判断です。(流体力学の授業をちゃんと聞いておけば良かったなぁ!)

3.仕切りガイドの加工

   
 仕切りの間隔は15mmです。
3×15のアクリル板を必要な長さに切り、切り口をペーパーで仕上げます。

4.仕切りガイドの製作

   
 仕切り板のガイドとなる3×15のアクリル板を3mm間隔で接着中です。仕切り板には水圧がかかりませんので厚みは2mmを使用します。印画紙が仕切り板にくっつかないので両面がダイヤ状に加工されたアクリル板のほうがベターですが手に入りませんでした。

5.給水、排水仕切りの接着

   
 給水側と排水側を仕切る板です。この部分(給水側)はかなりの水圧がかかりますので断面が三角の補強を入れ接着面積を稼ぎます。組み立てていくと手が入らなくなる所ですので手順を良く考えて作業しましょう。

6.給水、排水口の取り付け

   
 14mmホース用のニップルです。真鍮削り出しで290円です。金属加工物に弱い私としては、使わなくても欲しくなるような仕上げです。
 給水側は出来上がると手が全く入らなくなる箇所ですので固定は念には念を入れて。水圧もかかりますのでコーキングをした方がいいと思います。(パッキンゴムだけで組み立てましたが水圧をかけると水漏れします。風呂場で使うのでまぁいいっか!と諦めています。)

7.本体組み立て

   
 接着作業中です。結構大きくて重いので接着させる時にもたわみます。片側の側板が少し弓なりになった状態で接着してしまいました。きれいに接着するのは難しいです。途中からはきれいに仕上げることより強度と水漏れしないことに重点を置いて接着しました。・・・本当はきれいに接着出来なかったいい訳です!

8.給水口とノズルの様子

   
 給水側の詳細です。最初はこの部分が満水になると思っていたのですが、閉じ込められた空気が圧縮されるので満水にはなりません。接着が完璧な証拠です。一人ニヤニヤとほくそえんでしまいました。

9.仕切り版

   
 仕切り板を入れようとしたら入りません。クリアランスも見込んでいるので図面通りなら間違いなく入るはずなのですが、端を2mmカットして無事に入りました。仕切り板は落とし込みになっていて接着はしていません。

10.完成

   
 仕切り板を全部入れて、完成です。一度に全紙が10枚(大四切りや半切りなら20枚)水洗出来ます。
後はいよいよテストです。

11.給水テスト1

   
 給水テスト中です。小さなノズルですが結構な勢いで給水されます。ニップルの所から水漏れが!

12.給水テスト2

   
 水位が上がってくるとすごい重さになります。給水ニップル以外の所からは水は漏れません。ひと安心です。

13.給水テスト3

   
 シャンプーを数滴落としてみると、赤い矢印のような水流が発生しています。水道の勢いをかなり絞ってもこの流れを維持できます。ノズルの寸法は成功のようです。

14.給水テスト4

   
 満水状態。水漏れも無く立派に耐えているが今にも弾けそうで見ているのが怖〜い。

15.給水テスト5

   
 上から見たところ。
こんなにたわんでいます。何か補強を考えないといけませんね。

 プリント作業の最も大事なことは現像でも定着でもありません。いくらいいプリントでも水洗がおろそかだと直ぐに変質してしまいます。そして最も時間のかかる作業が最後の水洗作業です。完全な水洗作業をするには各社から発売されているアーカイバルウォッシャーを利用するのが適当な方法なのですが利用できる印画紙サイズと同時洗浄できる枚数が不満です。また半切り以上のサイズが洗浄出来るものとなると価格の方も半端ではありません。NOVAにも大全紙まで洗浄出来る物がありますが同時に洗浄出来るのは5枚までです。尤も全紙サイズを10枚も同時に引き伸ばすこともないと言えばその通りですが、たとえ1枚であってもそれが入るサイズは必要になります。本当はよく使う四切りサイズのものと大きなサイズのものを使い分けるのが一番よさそうですが、2種類のものを用意するのは金額的にもスペース的にも無駄が多くなります。
 それに、各社のアーカイバルウォッシャーを見れば見るほど自作出来そうです。問題となるのはノズルの寸法と水圧です。ノズルの直径は既製品を参考にするとして大型の物を作ったときの水の量にアクリルの素人接着が耐えることが出来るのかということです。散々作り方や材料に迷ったのですが結論は、「作ってみないと判らない」でした。全紙が10枚洗浄出来るものを作りましたが結果は、上の写真のように耐えています。

プリントウォッシャーを使うことの利点
 1.バットに印画紙を浮かべていた時と比べ、枚数が増えても重なりがないので水洗ムラが無い。
 2.少ない水量と短時間に洗浄が出来るので水道の利用量が少なくなり水道代にも環境にもやさしくなる。

 材料店に寸法加工をしてもらえば製作は容易ですので皆さんも挑戦して下さい。プリントが水槽の中に並んでいるのを見ているだけで、プリント作業がたのしくなります。


 その後の写真です。たわみ防止に縁の部分にコの字型のアルミ金物を取り付けました。たわみはずいぶんと少なくなり安心して見ていられる様になりました。
 6切りサイズの印画紙が泳いでる様子。全紙用に作ったのでやっぱり、でかいですねぇ。