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第19回 プリントの話 |
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| 前回までのネガの話でネガの再現幅(真っ黒け一歩手前から真っ白け一歩手前)に被写体が収まるようにフィルム感度の調整と現像時間の調整をした訳です。それはすべて良いプリントのためです。下のFig1はおなじみの印画紙の特性曲線です。フジのレンブラントV G2/F2の特性曲線ですが多階調フィルターに対応した印画紙なので00号から5号までの特性曲線が記入されています。ノーフィルターという曲線が2号にあたります。2号と3号のカーブの傾斜に注目してください。3号の方が2号より傾斜が急になっていますよね。右Fig2はFig1の2号と3号の特性を抜き出し、簡略化したものだと思ってください。2号と3号の関係はこの様になっていることが理解できると思います。本当は特性曲線の足の部分や肩の部分の曲がり方などがその印画紙の特徴を現しているのですがその話はまたの機会ということで今回は基本的な話です。「中島秀雄、田中益男共著 ゾーンシステム・ハンドブック」に書かれてあるものを参考に分かりやすく表しています。説明の必要がないくらい、見ればなるほどじゃないでしょうか。 |
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Fig1 印画紙の特性曲線

フジプロマイドレンブラント V G2/F2
ノーフィルターで2号紙相当
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<富士写真フィルム株式会社データーシートより掲載>
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まずは言葉の意味から |
学校の教科書のようですね。
グラフの横軸で表している「露光量{log H:ルクス・秒}」と書いてあるのは印画紙に当たる光の量の比のことで印画紙に当たる一番少ない光と一番たくさんの光で何倍ぐらい差があるかということです。言い換えれば何倍くらいの明るさの差を印画紙上に再現できるかを表しています。
縦軸の「反射濃度 D」というのは印画紙の再現できる濃度域のことで下側が印画紙の紙の色でこれ以上は白くなりません。上側が最大濃度、真っ黒の部分です。 |
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何号の印画紙にプリントすればいいのだろう? |
Fig2の2号のラインが最大濃度に達する(ア−ウ)ためには比露光量(ア−オ)が必要です。同様に3号のラインが最大濃度に達する(ア−イ)には比露光量(ア−エ)で最大濃度になります。これを踏まえて、比露光量の違いをネガに置き換えて考えると一挙に解決です。
比露光量が大きいということはネガのコントラストが大きいことで、比露光量が小さいということはネガのコントラストが小さいということです。ネガの実行感度を求めたり適正な現像時間を求めたのはコントラストの大きいネガBを作ろうとしていることです。コントラストが大きいネガといってもあくまでもネガの再現域の端から端までを使うという意味です。
コントラストの小さなネガAを2号にプリントすると比露光量は(ア−エ)ですからエから上に線を引いてみると(エ−イ)2号のラインと交差する点(カ)がそのプリントの最大濃度になります。印画紙の持つ最大濃度には達していませんねぇ。「ねむいプリント」と言われるものです。今度は同じコントラストの小さなネガBを3号にプリントしてみましょう。比露光量は(ア−エ)ですから先ほどと同様にエから上に線を引いてみると(エ−イ)3号のラインとの交点は印画紙の再現できる最大濃度に達しています。コントラストの小さなネガBは3号にプリントすれば印画紙の再現できる濃度域をフルに使うことが出来ます。ネガのコントラストと印画紙の号数との関係が理解出来ましたでしょうか。実際はFig2の様にフィルムのコントラストと印画紙のコントラストがピッタリになっている訳ではありませんが出来るだけFig2の様な状態にしようとしている訳です。前回、前々回の「フィルムの話」に出て来る標準ネガというのはFig2のネガBを作ることです。 |
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実際にプリントしてみる |
ここに一枚のネガを用意したと思いねぇ。コントラストの大小もわかんねぇというトウヘンボクが始めようって言うあんばいでぇ。(おっと!いけねぇ、普通に戻ります。)
軟調の印画紙からスタートが基本ですので2号にプリントします。フィルム感度編で標準の露光時間の目安が立っているのでその時間を考慮して段階露光をします。プリントサイズを変更したり絞り値を変えたりしているようでしたら改めて段階露光をして適正と思われる露光時間を探してください。
ちょうどいいと思った露光を与えたものをいつも通りの手順でプリントして仕上げてください。ここで注目するのはハイライト部分です。ハイライト部分は印画紙のベース色より白くなりようがありません。ぎりぎり表現したい部分が飛んだりしないでわずかな濃度の違いとなって表現されていますでしょうか。うまくいかなければ露光時間を変えてみてぎりぎりの白が出るまで繰り返してください。決して現像時間で調整しようとはしないように、百害あって一理無しですぞ。
やった!思った通りのハイライトに仕上がった。と言っても喜ぶのはまだ早いのです。今度は、思った通りのハイライトに仕上がったプリントのシャドー部に注目してください。十分な黒さ(印画紙の最大濃度)になっていますか?なっていれば2号がそのネガに合った印画紙です。バンザイです。よろこんでください。
十分な濃度になっていない時はさっきのグラフを思い出して「コントラストの小さいネガは3号で」を合言葉に3号で試してみましょう。うまくいきましたか?うまくいった筈です。うまくいかない場合や4号、5号を使わないとシャドーが出ないようでしたらネガが正しく現像されていないか撮影時の露出に問題があります。
多階調印画紙を使うと上記の調整が号数紙よりもきめ細かに対応出来ます。
2号を使う場合でも3号を使う場合にもハイライト部分の濃度に注目してスタートしました。なぜならば上のFig2の2号のラインと3号のラインの始点アが同一だからです。もちろん実際の印画紙では2号のアの位置と3号のアの位置は同一ではありませんが2号であろうと3号であろうと何号であろうともハイライトエンドは印画紙より白く出来ないからです。これが「ハイライトプリント法」と言われる方法です。他にも中間調を基準にした方法や印画紙のISO
Rangeを利用するレンジマッチング法などありますが測定器など無い私には「ハイライトプリント法」が一番合理的で再現性が高いと思っています。 |
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まとめ |
色々な考え方や、方法があると思います。唯一無二の方法でもありません。ただ自分自身がもっとも理解出来た方法というだけです。基本はフィルムの端から端まで印画紙の端から端までというのはどこまでなのかと言うことを知ることとそれを使い切ることを覚えることです。もちろん写真の内容によってはハイライトエンドやディープシャドーが必要でない場合もありますし、意図上使わない場合もありますがこれは基本を十分理解してからでも遅くは無いと思います。
写真は技術的な部分(カメラをぶらさ無い、ピントを合わせる、露出値を適正に、などなど)と化学的な部分(フィルム現像、プリントなど薬品を使う部分)と精神的な部分(感性を含め、どういう写真にしたいのか)というものの組み合わせで出来上がります。一番大事な精神的な部分を表現するには技術的な部分と科学的な部分の技術を高める必要が有ります。それには基本をよく理解することが早道です。まだまだ勉強することがいっぱいです。
フィルムの話、プリントの話と、私自身が最初に暗室作業を始めた頃に「どういうことか分からん?」「何でそうなるの?」と思ったことを書いてみました。初心者の頃は本に書かれてあることが理解不能なのです。参考になるかどうか分かりません。本当の意味は違うよという所や、言葉足らずで誤解を招くところもあるかもしれませんが初心者が最初にぶつかる問題点を解りやすく書けた?つもりです。
先輩諸氏に間違っている点がありましたらご指導よろしく。 |
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