第17回 アンチ・ニュ-トンリング・フィルター

 
 アンチ・ニュートンリング・フィルターがどの様な物か今更説明するまでも無く引き伸ばし作業を自分でされる方はご存知のことと思います。フィルムを直接コンデンサーレンズやガラスキャリアで押さえると接触面で光の干渉作用が発生し虹模様が出るのですがプリントするまで解らないので厄介なものです。アンチ・ニュートンリング・フィルターを使用しなくても出ない場合もあり、またフィルムの位置をちょっと変えただけで消えたりしますので必ず必要と言う物ではなく画質の低下を理由に全く使用しない方もおられます。今度も大丈夫だろうか等と考えているのは精神衛生上良くありませんので私は必ず使用しています。
 フォコマートTcを購入した時に付いていた アンチ・ニュートンリング・フィルターは数箇所に表面が剥離したような傷があり最も大きい傷はフィルムの画面外になるので問題無いのですが小さい方の傷はプリント内容(空や壁の様に同じ濃度の面積が大きいとき)によっては気になることが有りました。傷みの少ない物、出来れば全く傷の無い物を手に入れようとしたのですが国内で入手するのは至難ですし海外から購入するのも手間を考えると億劫です。国内の某中古カメラ店では店舗オリジナルのアンチ・ニュートンリング・フィルターを販売していますが取り付け方が3方から押しネジで固定する物でデザイン的にはNGです。性能に問題なければデザインは気にしないでこのアンチ・ニュートンリング・フィルターを手に入れようかとグズグズとしていたところに朗報が入りました。大阪の佐々木さんが製作販売すると言うニュースです。

 下段左側(黒いリング)がLEITZのアンチ・ニュートンリング・フィルターです。中央の真鍮色の物が佐々木氏製作のアンチ・ニュートンリング・フィルターです。枠の色はLEITZと同じ様な黒色塗装もあります。どちらでもお好みの物を、光が通って来る場所なので黒色塗装の方が反射を心配しないでいいかもしれませんが真鍮削り出しそのままと言うのもカッコいいです。仕上げも精度も言うことなしです。取り付けた時の硬さもオリジナルと同様にバネ(横の切り欠き)の調整でピッタリとフィットします。

 一番右側はアンチ・ニュートンリング・フィルターを使用する際に必要な3mm厚のスペーサーリングです。現在アンチ・ニュートンリング・フィルターを使っていて新しいアンチ・ニュートンリング・フィルターに交換するだけでしたら筒内にスペーサーリングが組み込まれているので問題無いですが新規にアンチ・ニュートンリング・フィルターを使用する場合は必要になります。アンチ・ニュートンリング・フィルターの厚み3mm分を後退させネガに正規の圧力で密着させる働きをします。
  このリングは「やっと出来ました!」と佐々木氏よりいただいた物です。宣伝して下さいと頼まれておりますので(笑)ここで宣伝させて頂きます。Focomatを購入した時に欠品している場合も有りますがこれで安心してFocomatが購入出来ます。(こういう物ってなかなか入手しにくかったものです。)精度も全く問題ないと言うよりこれほどの精度は必要無いと言ってもいいくらいの仕上りです。この輝きを見ればどうです?あなたも欲しくなるでしょ。

 佐々木氏のアンチ・ニュートンリング・フィルターは上段に写っているカッコイイ金属ケースに収まって届けられます。


 左側が佐々木氏製作のアンチ・ニュートンリング・フィルター右側の黒い方がLEITZオリジナルのアンチ・ニュートンリング・フィルターです。表面の凸凹は佐々木氏製作の物の方が大きい様ですがLEITZにも同様の凸凹の仕上げの物があります。製造時期で仕上げの違いが何種類か有るようです。この様にして見ても周りのローレットの切り方もオリジナル同様に手の込んだ仕上げになっています。無くても性能に影響の無いところですが佐々木氏のこだわりを感じます。

 今回この様に見比べて気になったのはLEITZのアンチ・ニュートンリング・フィルターを通して写っている紙の色が違って見えることです。同じ光源下で撮影してる訳ですからガラスの違いと思われます。佐々木氏製作の物はニュートラルと言うか色味は変わっていません。実際の使用で違いが有るのでしょうか。


あとがき

 

 実際に使用した結果、何も変わりません全然分かりませんでした。勿論、古い物の傷の有無は分かりますが画質や露光時間の変化は有りません。最初はここに2枚の写真を並べてこちらがオリジナルの・・・としようとしたのですが全く違いが無いので止めました。このような物は変化が無い、分からないというのが正解でしょう。結果、佐々木氏の製作したアンチ・ニュートンリング・フィルターはオリジナルと遜色が無いと結論付けられます。
  この商品の一番の良さは新品のアンチ・ニュートンリング・フィルターがいつでも手に入ると言う安心感です。心配事の一つが無くなりました。よく作って下さいました。ありがとうございます。と言う商品です。最初に述べたように枠の色違いの商品が有り、ガラスのみの販売もしているという親切さです。私も、もう1枚購入しようと思っているのですが枠からガラスが外せない(笑)ので枠ごとということになりそうです。今度は黒色にしてみます。
 どうしてもオリジナルじゃなきゃ嫌だと言う人には無理には勧めませんが、まじめにプリントしている人には朗報です。

購入御希望の方や詳しく知りたい方はサイト「Focomatを使おう!」http://www.asahi-net.or.jp/~jq5t-ity/index.htmの販売のページへどうぞ!