第12回 Focomat Tcを買う

   
     
 「ライカで写したフィルムはフォコマートで引き伸ばさないと意味が無い。」とか「M4を購入するのに迷っているあなたがまだフォコマートを所有していないならフォコマートを購入しなさい。その方が写真の上達になります。写真工業・中川一夫氏」というような記事に影響された訳でもないのですがやはりいつかはFocomatという気持ちがありました。
  他のライカの逸話のように話半分としてもみんなが誉めるには理由が有るのでしょう。しかしである。多階調印画紙に対応していない(Tcカラーはフィルターポケット有り)40〜50年前の古い引き伸ばし機が現行品と比べてどれ位のメリットが有るのか疑問でした。現在フジのFD690を使っているので次に欲しいのは散光式のランプハウスを有した多階調印画紙対応の引き伸ばし機と決めていたのでしたが適当な中古品の出現も無いまま(号数印画紙の美しさを体験すると多階調印画紙対応である必要性もあまり感じなくなったのも原因)日々が過ぎて行き又気持ちの上でも引き伸ばし機より交換レンズやカメラ本体の方に向いていたので暫く引き伸ばし機の購入を考えることも無く平穏無事な写真生活を送っていました。

悪魔の囁き

   
 ある日NET上でそのものずばりのタイトルのサイトを発見した。それは「Focomatを使おう!」http://www.asahi-net.or.jp/~jq5t-ity/index.htmというサイトです。それまでFocomatに対して持っていた心配事、製造を中止してかなり年月がたつので補修部品や消耗品等のパーツの供給がままならないのではという問題をかなりの範囲で安心させてくれる内容でした。最新型といってもこれも製造は完了していますV35に拘らなくてももっと古い機種でもパーツの入手は可能なようです。ただしそれなりの時間と労力は必要です。にわかにFocomat購入が現実味を帯びてきました。V35にほとんど気持ちが決まっていたのにう〜ん・・・やっぱり悪魔か?
 上記の 「Focomatを使おう!」http://www.asahi-net.or.jp/~jq5t-ity/index.htmはFocomatやValoyを使用している方やこれから購入を考えている方には非常に参考になる悪魔のサイトです。ご用心を!

何にするか?

   

 Focomatには何種類かの機種が有ります。自動焦点の機能に拘らなければValoyも選択肢に入りますがここは最大の特徴である自動焦点の機能ははずせません。流通(入手のし易さ)から見るとTc、Tcカラー、Uc、V35辺りが候補に挙がります。Ucは35mm以上のネガの引き伸ばしが出来ますがそれ以外の機種は35mm専用機です。
  現在6×9までのネガサイズが引き伸ばせるフジFD690を所有していることと価格が非常に高いことでUcは選択から外さざるを得ません。スタイルからはTc、使い勝手では新しいV35に軍配が上がります。で両方を視野に入れつつ探すことにしますが・・・無い。たまに有っても程度がひどいか価格が高すぎる。海外のショップを調べても程度のいい物は送料、税を含めると日本で買うのと価格にあまり差が有りません。オークションで購入するのが一番安く購入出来そうですがオークション嫌いの為ショップ狙いです。トラブッた時の対応も国内の方が楽なことも有り国内の出物を探すのですが(海外のショップもトラブルに関して誠意のある対応をしてくれますが言葉の違いと遠隔地ということで手間が掛かり対応も疲れます。又カードを所有しない私のような人間には決済が面倒です。)本当に無い時はどこの店にも無いという状態です。

 出ました!V35。値段は思っていたより少し高いですが品物は良さそうです。懐具合と相談して来月なら買えそうなのでその時まで売れないで残っていたら買おうと90%まで決意して毎日その店のサイトをチェックして日々を送っていました。写真家の渡部さとる氏のサイトの日記にもこの店のV35の記事が載り「ボディは中古だが不思議なことにレンズは新品。」1台所有しているが自分のワークショップ用に購入するかどうか迷っておられる様子が記載されていました。 渡部氏に先を越されるか?という心配とプロの写真家でも中古の引き伸ばし機の前で買うか買わないか「もう少し安ければ・・・」等と迷っておられる様子が我々と同じなんだなとチョッと嬉しくなってしまいました。
  そうこうしている間に6月1日より10日間ほど東京の仕事が入りこの機会に現物を見て購入することが出来そうです。目当ての店だけではなく銀一やスキヤカメラも見て回れるので他にも何か良い物が有るかも・・・。と明日から出張の前夜いつものショップサイトの在庫チェック・・・FocomatV35、V35カラーまだ売れないであるある。いや売れてもすぐに在庫から消していないかも・・・FocomatTcやLPL VC7700proが入荷!出発前に又迷うことになってしまいました。
 FocomatTcの程度がよければ値段も予算内のTcに、程度があまり良くなければチョッと無理をしてもV35にすることにして後のことは仕事が終わってから考えることにしましょう。Tcの程度のいい物は流通が少なくなっているので出来ればこの機会に入手したいものです。


いざ出陣

 

 明日で仕事が完了です。いよいよ現物を見に行けそうです。もう在庫を確認してもOKでしょう。在庫の確認をすると幸か不幸かTcもV35も在庫が有ります。明日がお店の定休日の為、明後日に見せていただいた上で購入するかどうかを決める事を約束、これで一安心。翌日はキヤノンサロンや写真美術館に行ったり撮影をしたりして過ごし当日を迎えます。天候が好ければ夕方まで撮影をして帰阪前に店に寄るつもりでしたが台風の影響もあって朝から生憎の雨です。早く買いに行きなさいという神の御託宣か?
  撮影を中止してゆっくりと朝マックして出掛けます。

 行き先は中野の「日東商事」駅前の「フジヤカメラ」は本日は素通り、寄り道して何か良い物を見つけたら大変だ。「日東商事」では以前FD690を購入しているのだが通販で購入したので店舗に行くのは今回が初めてです。そして店内に入って驚きました。FocomatTc、Uc、V35を始めべセラー等の在庫が有りほとんど桃源郷状態です。大阪にもこういうお店が欲しいものです。
 目当てのFocomatTcはランプハウスを後ろに傾けるための白いハンドルの付いた(1961年以降製造)物でした。本体もボードも大切に使われていたようで年数の割には非常に綺麗な物でした。ニュートンリングフィルターも標準ネガキャリアも付属しているしFocotor50mmF4.5(DOOCQ)も僅かにクモリが有りますが経年を考えるとまずまずです。 V35も2台(monocromeとcolor)在庫が有りましたが価格的にはTcの方がお買い得感は有ります。V35にも気持ちは動かされますがTcのエイリアンみたいなデザインも捨てがたく長年の憧れでもあり、少しでも安く済ませたいという経済上のことも考えTcに決めました。
  中古品購入の定説「見た時にピット来たら即購入」という言葉通り購入を決め東京を後にしました。
 これを書いている今はまだ届いていません明日の午前に届きます。楽しみにしながらFocomatの置き場所を整理しているところです。引き伸ばし機の設置棚はこの日の為に最初から2台並べて置けるように作ってあります。(こういうことには手回しがいい!)
  インプレッションは届き次第にアップしたいと思います。


Focomat V35
ハロゲン球を使用した散光式
引き伸ばし機とは思えないほどセンスのいいデザインです。

 

FocomatTc
V35とは違っていかにも引き伸ばし機というスタイルです。