第10回 フィルム現像の話・その1 (フィルムを現像リールに巻く)

 カメラで撮影してきた画像が実際の画像として再現される最初の工程がフィルム現像です。プリント作業のように気に入るまで何枚でもプリント出来るのと違ってフィルム現像はやり直しが出来ません。失敗すれば苦労して撮影した行為が無になります。私も失敗が怖いので最初はフィルム現像だけは現像所に出していましたが2つの理由からフィルム現像も自分でするようになりました。その2つの理由とは、@現像所で現像したフィルムの仕上がりが決して良いとは限らない。Aフィルム現像はそんなに難しくない。という2つの理由です。

@現像所で現像したフィルムの仕上がりが決して良いとは限らない。
 まずコントラストが付き過ぎで階調が飛んでしまっている場合が多いです。現像ムラ特に気泡ムラがある。汚れの付着が多い。最初はモノクロのネガの仕上がりはこんな物なんだと思っていたのですが時々は綺麗なネガが仕上がってくることがあるので現像時の薬液の管理や時間管理が適当な感じがします。たくさんのフィルムを機械で処理しているのでしょうから仕方が無いのでしょう。自家現像をしてみればその品質の悪さは実感できます。始めてメーカー指示値を見ながら恐る恐るした自分の現像ですら数倍いい仕上がりです。 現像所で現像したフィルムの仕上がりが決して良いとは限らない。と書いていますが”よくない”と言い切っても良いでしょう。プロラボなどで現像してもらえばまた仕上がりは違うと思います。

Aフィルム現像はそんなに難しくない。
 @にも関連するのですが仕上がりが気になりだしたのはある記事です。自家プリントをする人は自家現像をしなさいという記事です。メーカーで行われるモノクロ現像は手をかけていないので満足できる仕上がりではない、ネガの時点で失われたものはプリントでは取り戻せないという内容でした。それではと試してみた結果が上記のように初めての人間ですらメーカーの仕上がりより数段いい仕上がりになるということでした。フィルム現像をやり始めてみると最初に心配したような致命的な失敗というようなことはおきません。もう少し薄い目にとか濃い目にすればよかったかなという程度のことは結構ありますが(本当はここが一番大事なところなんですが!別の項で詳しい話をします。)これから始めようとする人へ基本を守ればとにかくネガは出来上がります。最初は必ず失敗するといったような記事もよく目にしますがプリント作業の項にも述べましたが現像作業も純然たる化学反応です。基本と手順をよく理解して始めれば失敗なく始められます。
  フィルム乾燥時に吊り下げられたネガに写っている画像を始めて目にするときの感激はプリント時に現像液の中で画像が浮かんで来る時の感動に勝るとも劣らないものです。フィルム現像が簡単だとはいいません何事も満足できるところに到達するには努力が必要ですが、簡単にスタートできます。
始めてみませんか?


 フイルム現像での最初の関門は現像リールにフィルムを巻き込む作業でしょう。巻き込み方が悪いと現像ムラやフィルムの重なりで現像不良が発生します。巻き込み方は各社取説や雑誌類に書かれていますのでそちらを参考にしていただくとして、一番大事なことはフィルムが溝の中で前後に動くかどうかということです。少し巻いては前に動かしてみるとフィルムがカサカサと動くはずです。このカサカサ感を右手(左利きの人は左手でしょうか)に覚え込ましましょう。
 左上の写真はフィルムを引いたところです。フィルムの乳剤面がリールに触れています。この状態で現像処理を行うとリールに触れた所が現像不良になりますし攪拌したときに乳剤面を流れる現像液の流れを阻害します。
 フィルムを奥に突くようにカサカサと動かすと 左下のようにフィルムベース面がリールに触れた状態になります。この状態では乳剤面にリールは触れていません。このように巻き込まれなければなりませんが見ながらでしたら誰にでも簡単に出来ることですが、暗闇かもしくはダークバッグの中での作業になりますので手の感覚だけが頼りです。また現像が完了するまで正しく巻き込まれているか目で見て確認することが出来ません。カサカサとスムーズに動くようでしたら間違いなくきちんと巻き込まれています。このカサカサ感は巻き始めの方が確認しにくいので注意が必要です。納得が出来るまで落ち着いて何度でも巻き直しましょう。どうせ暗闇です。誰も見ていません!
  ただし乳剤面には触れないことと折り傷だけは致命的ですので気を付けてください。フィルムを持つ手に手袋をはめて作業をした方が良いでしょう。

(写真は120フィルムですが135でも同様です。)

 

フィルム現像の話・その2へ〜つづく〜