第5回 引き伸ばし機

 今回は機器類のお話です。
暗室はつつがなく工事が完了しましたが、引き伸ばし用機器類が無ければ本当の暗〜い部屋です。
 カメラなどの撮影機材に比べれば販売されている暗室機材ははそれほど多くはありませんが選ぶとなると結構大変です。自分の予算に合わせて最良の物を選択しましょう。中古ショップやNETのオークションなどを利用するのもいいかもしれません。機能や特徴については十分に検討を重ねたほうがいいです。
カタログを集めたりNETでメーカーのホームページを訪ねたり暗室の話題が書き込まれているBBSを読んだりと、色々考えている時間は結構楽しい時間です。


引き伸ばし機

 これが無ければ文字どうり引き伸ばし作業が出来ません。
買い換えたり、買い足したりするのは金額的にもスペース的にも大変です。
金額的にも引き伸ばし機が一番高い物なので慎重に選びましょう。
私が考えた条件は以下のような条件です。

1. 予算が許す限り一番高いもの。
2. 6×6が引き伸ばせるもの。
3. 多階調印画紙が使えるもの。

1. 予算が許す限り一番高いもの。

 これはしっかりした物、構造的にもメーカーのサービス体制も含め長く使うにはしっかりしたものが必要です。引き伸ばし機の構造は他の機械類に比べ非常に単純な機構です。フィルムに光を当てレンズで拡大または縮小して印画紙に投影するだけです。言い方を変えれば光をムラ無くレンズに集めることと鉛直に投影しその位置を維持することだけです。
非常に単純なことです。故にしっかりした構造で無ければなりません、ごまかしの利く部分が無いのです。
又構造が簡単ということは壊れる部分が少ないということです。これは長期の使用に耐えうることです。長年使えるものでしたら出来る限りいいものを選んだほうが得策です。毎回触れる部分でもありますし、しっくりくるものを選びましょう。

光源について:集散光式か散光式か迷うところです。結論から言うとどちらの方式でも気に入ったメーカーの好きな機種でいいと思います。
 一応、集散光式はシャープネスが高く粒子が目立つ露光時間が短い、反対に散光式はシャープネスが低く粒子が目立たないということはネガの傷や埃なども目立たないということです。露光時間が長くなる。
と色々な本に書かれていますが、実際に展示された作品を見る限りどちらかの方式が優れているということはありません。集散光式を使っている作家の写真でもグラデーションのやさしい写真がありますし反対に散光式を使っている作家の作品でもコントラストがガチガチの表現の写真があります。要は使い方次第なのでしょう。(この使い方次第というところが難しいところなのですが)
 私もどちらにするか散々悩みましたが自分の好きな写真家がどのような機種を使っているか調べてみると参考になります。自分で引き伸ばし作業をしていない写真家も大勢います。
 現在、多階調印画紙プリントが主流になってきましたので散光式が増えてきました。

2. 6×6が引き伸ばせるもの。

 これは単純に自分が使っているフォーマットが引き伸ばせることです。欲張って4×5や8×10も出来る物等と考えると、35mmのような小さなフォーマットでは引き伸ばし作業が出来ないか、出来ても非常に苦労します。そんな大きなフォーマットは始めた時に又考えましょう。
 35mm専用機という物も現在日本では初心者用としての物しかありません。フォコマート35の様な引き伸ばし機が発売されればいいのですが現状では無理なのでしょうね。

3. 多階調印画紙が使えるもの
 これからの主流になると思います。今までのように使いもしない号数の印画紙を買うこともないし、焼きこみ時に軟調のフィルターを使ってゆっくり焼けそうです。私は多階調印画紙を使用してプリントした経験が無いので意見というほどのものはありません。これからの課題(楽しみ)です。
 フィルターを内蔵した引き伸ばし機の方が便利ですが後付でも出来ます。数社からホルダーとフィルターがキットで売っています。ただレンズの後にフイルターが付くのでメンテナンスはしっかりしないと傷やゆがみの影響はもろに出ます。
出来れば最初から専用の引き伸ばし機がいいですね。

 右の写真はフジのFD690Professionalです。名前の通り6×9のサイズまで引き伸ばせます。
予算内でLPLのVC7700プロと最後まで迷った機種です。
FD690Professionaに決定したのは単純に程度のいい中古品があったというだけです。VC7700プロも中古品(開封未使用品)というのをNetで見つけたのですが、1週間迷っている間も売れずに在ったので、暗室機材はやっぱり売れない物なんだなと高をくくっている間に突然に売れてしまいました。縁が無かったとあきらめましょう。Netのオークションにも引き伸ばし機が時々出品されていますので安く買うことが出来ます。私はオークションでは買わないのですが、なぜって言うと待てないのです、ほしいと思ったときに買えないのはいやなのです。Netで買い物をしますが、オークションは苦手です。それに落札価格を見ているとちっとも安くないという物もあります。
  ちなみにこのフジのFD690ProfessionalはNetで中古専門店から買いました。
 多階調印画紙にはVC7700プロの方がフィルターが内蔵されているので便利です。FD690Professionalの場合はフィルターホルダーをレンズの下に付けるか、面倒でもランプハウス内のフィルターボックスにフイルターをセットするかの方法を取らなくてはなりません。画質を優先するなら面倒でもフィルターボックスに毎回セットする方法がGOOD。
どちらの機種を選択されても後悔はしないと思います。どちらも実績があります。ちなみにフジの引き伸ばし機はLPLのOEMです。