Art-05

   
     

消えてゆく
甲斐みずき 著
新風舎
 不思議な写真です。どこにでも有るような風景なのですが、どの場面にも風が吹いています。それも奥から手前に吹いています。写真の中から吹いています。
甲斐みずきという人がどんな人なのか興味がありますね。全く知らないんですから。次の作品が楽しみです。

牛腸茂雄 作品集成 1946-1983
牛腸茂雄 著
共同通信社

 牛腸茂雄氏の既刊の写真集「日々」「SELF AND OTHERS」「見慣れた街の中で」と未発表の写真で構成されています。時間の経過を一度に見れることの意義は大きいです。中平卓馬氏が当時に「なんてこと無い写真だ。」と批判されていますが、文章で写真を撮るような中平卓馬氏の写真の方がよほど「何てこと無い写真のよう」に思えるのは私だけでしょうか?中平卓馬氏の写真が下らないと言っている訳ではない。「なんてこと無い写真」に多くの意味があるのではないのでしょうか?写真なんて物は所詮は何と言うものではない。政治でも無く無論文化でもない。政治的や文化的と勘違いしているだけだ。
  解説の中に何度も牛腸氏の体のハンディに触れ、そのハンディを乗り越えてこの作品群を作ったと書かれているがそんな説明は全く必要としない。言葉の必要なものは出来上がった写真のみだ。ハンディが有ったにもかかわらずではなく牛腸茂雄がすごいのだ。


fAMilY
Lee Friedlander 著
FRAENKEL GALLERY
 タイトル通りフリードランダー自身を含む家族写真です。子供の成長の記録であることはとにもかくフリードランダー夫妻の老いの記録でもあります。息子エリック、娘アンの成長とその子供たちフリードランダーと妻マリアとの結婚生活45年の記録です。ただの家族写真なのかどうかという事についてはそれぞれ感じ取り方は違うと思います。フリードランダーの写真集は日本での出版が少ないので見つけたら直ぐに買っておきましょう。私の一番好きな写真家です。

さっちん
荒木経惟 著
新潮社
 荒木経惟氏の第1回太陽賞受賞のデビュー作ですが太陽賞に応募したネガが返却されていないので「アパートの子度たち」「さっちんとマー坊」「さっちん」からの収録です。おかしなファッションと言動に注目(マスコミにサービスしすぎなんでしょうね。)を浴びますが本当の写真家である。根は真面目なんでしょうね。ここに写っている子供達は今私の年代くらいでしょうか、こんな場所でこんな遊びをしてました。

道草者
石津昌嗣 著
求龍堂
 MOMENT IN PEACE(平和な気持ちになれる瞬間)と題された世界各地の旅の写真集です。カラーも少し有りますがほとんどモノクロの写真集です。
 「たのしくてやがて悲しき旅写真」といったところでしょうか、時間の流れが遅くなるといいな。

森山・新宿・荒木
森山大道/荒木経惟 著
平凡社
 

 現在新宿の東京オペラシティ・アートギャラリーで開催中の「森山・新宿・荒木」展の図録として発売されています。この2人ほど新宿が似合う人はいませんね。森山大道氏はモノクロ、荒木経惟氏はカラーの写真という具合になっています。野村佐紀子撮影の森山、荒木両氏の撮影風景のポートレートがすごい。被写体になった森山、荒木両氏が新宿よりもインパクトがあるということだ。

 ぜひ関西方面でも開催して欲しい。


WIEN MONOCHROME 70's

田中長徳 著
東京キララ社
 2005年2月2日に発売されたこの写真集「田中長徳写真集『WIEN MONOCHROME 70's」は田中長徳氏が7年半滞在した約30年前のウイーンの写真集です。他の写真集や雑誌に掲載された写真も含まれていますが1,000枚の写真をまとめて見るというのはなかなかに面白いことで雨の日の楽しみが増えたという事です。プリントの美しさが写真の良し悪しを決めることではないことがよく分ります。当時のネガをフィルムスキャナーでスキャンしたものを原稿にしたそうですが、今までのようにプリントを原稿にする方法とスキャンしたデーターを原稿にする場合の違いってあるのでしょうか?写真家がプリントを印刷所に持ち込んでも印刷する場合、やっぱりデーターに直して印刷しているから一緒ですかね。
 左上に写っているエプソンR−D1で写されたサイン入りのカラー写真(カラー印刷と言った方が正確か?)が先着150名様のおまけです。1000部の限定発売ですのでグラビアアイドル写真集のように飛ぶように(チョートク氏の体重から言っても)売れるとは思いませんが欲しい人は早い目に手に入れた方がいいですよ。この写真集の紹介のページの前の方に紹介している「ウイーンとライカの日々」が好きな人になら絶対のおすすめ。

CHOTOKU×R−D1
田中長徳 著
東京キララ社
 エプソンR-D1に新旧のレンズを使って撮影されたローマ/ウイーン/プラハの写真集。上記の「WIEN MONOCHROME 70's」と対を成す。一見70年代モノクロ写真と2005年デジタルカラー写真という両極端のようだが写真家の目は同質です。いつも感心してしまうのがチョートク氏の歩く量とカットの量です。やっぱりたくさん歩いてたくさん撮らないとだめですね。「写真の質は量だ!」と森山大道氏も言ってます。レンズの違いによる描写を楽しむのもよし、ローマ/ウイーン/プラハを楽しむのもよし。

Quiet Life
前田春人 著
青幻舎
 アパルトヘイトによって故郷を追われた人々のカカドゥ村の日常。大好きなトーンで描かれた静かな時間です。静寂とはまた違った静かに流れる時間が記録されています。ずいぶん前から欲しいと思っていて、やっと買った写真集です。書店で見かけたら一度目を通してみてください。きっと好きになりますよ。

街区の眺め
飯田鉄 著
日本カメラ社

 田中長徳氏と同じようにカメラ雑誌などでは写真機評論家的なところが目立ちますがいたって真面目な写真家。
消失してゆく東京という街を建物を中心にをとらえた写真集。ノスタルジーだけで語れない東京をとらえている。
 最初はどうせ写真評論家が撮った写真集ぐらいに思っていたので書店に並んでいても見ることもしなかったが中を見た途端「これは買わなきゃ」と思わせられた。飯田鉄さんを長い間誤解していた。少し前までは大都市圏にはこういった建物がたくさんありました。


 
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