読んで楽しかった本、勉強になった本、写真集そして買わない方がよかったかなと言うものまでを含め写真に関連したものを中心に紹介しています。
ウェブ上で色々なものを読むことが出来る時代ですが、印刷された「本」には特別な魅力があります。その魅力のひとつは指で触れられることです。また年月と共に変色していくことです。黄色く変色した本には思い出も閉じ込められています。参考になる物もならない物もありますがどうぞご覧ください。

※随時更新しています。

 

Art-01

     

1970年代NIPPON
北井一夫 著
冬青社
 北井一夫氏の代表作「村へ」「そして村へ」を中心に1973年から81年までに撮影したネガ2545本から新しく選び直した作品です。
 あとがきに「当時の普通の人、普通の生活の場所を撮影したのだが今ではもう写真の中にしか残っていない風景になってしまった。」と書かれています。ふるさとを持たない作者が訪れた先々でふるさとの原風景を発見しようとする旅写真。まだ風土という言葉が生きていた時代でもあります。

ウジェーヌ・アジェ回顧
東京都写真美術館 企画/監修
淡交社
 19世紀末から20世紀にかけてパリとパリ郊外を撮影した写真家アジェの作品集。同時代は絵画主義写真が蔓延していた時代です。シュールレアリスムの台頭に合わせアジェが最初に写真という物をピクトリアリズムから開放したと言われているが彼はパリという街を芸術家のための資料として撮影した。まだ「写真」が「写真」として自立していない時代だったのですね。彼自身は芸術写真という言葉とは無縁の人でした。「売った写真がどのように使われようが私には興味がない。」という彼の言葉がそれを立証しています。後の人達が芸術と言う言葉を冠しているだけでアジェ自身は克明に記録する機械として写真機を使ったというだけである。後の写真術に影響を与える事などを考えずにパリやパリの人々を単なる資料として記録し続けたのです。パリとパリの人々に愛をもって。資料として撮られた彼の写真が芸術などと叫ぶ稚拙な写真より圧倒的な力を秘めています。

盆地
小林紀晴 著
竢o版
 文庫本の写真集です。小林氏の故郷の諏訪の御柱祭の写真ですが彼の小説の中にもこの祭りの模様がよく描写されています。彼にとってはと言うより諏訪の人々にとってはただの祭礼以上の意味をもっているようです。文庫サイズの写真集の中からも熱い風とその後の空虚な気配が伝わります。私はどちらかというと紀晴氏のモノクロ写真の方が好きです。

セーヌ左岸の恋 Love on the left bank
Ed van der Elsken 著
東京書籍
 さすらいのオランダ人エルスケンのパリの恋人たちの写真集ある意味でヤラセではあるが、そういうことは気にしなくてもいいのですなぜならエルスケンの写真であるからです。日本で撮影した「ニッポンだった」も好きです。ローライを構えたエルスケンの写真を見るたびにローライが欲しくなるのは私だけでしょうか?
  かっこいいですね。まるで天使がカメラを構えているようで・・・

Henri Cartier−Bresson
Henri Cartier−Bresson 著
大阪芸術大学
 「決定的瞬間」「カメラは眼の延長」と言う言葉を有名にしたブレッソン、ライカ使いのブレッソン。
  「撮影とは認識である−事実自体と、その事実に意味をあたえる、視覚的にとらえた形態の厳密な構造とを、同時に一瞬のうちに認識することにほかならない。それは自己の知性と目と心情とを同一軸上に置くことである。」と言っておられますが難しいですね。今だと思ってシャッターを切っている様ではダメでその時点ではシャッターは切れていないといけないのですね。
  「決定的瞬間はいつもシャッターを切る前とシャッターを切った後にある。」これは有名な私の言葉です。
  2001年京都市美術館で開催された時の図録です。

「知られざるロバート・キャパの世界」展
毎日出版社
 没後50周年としてキャパ初期のスペイン内戦の写真を中心に開催された写真展です。有名な「崩れ落ちる兵士」のオリジナルプリントも見ることが出来ましたがもっと心を惹かれた写真は被写体としてのキャパ自身です。1954年に日本を訪れた時のキャパの写真が十数点展示されていましたがどの写真のキャパも優しいまなざしをしていました。
 福岡展は11月に開催されるので九州地方の方はまだ間に合いますよ。(2004年7月現在)
2004年開催された同展の図録です。

CHOTOKU @ WORK
田中長徳 著
毎日コミュニケーション
 写真にはそれを撮ったカメラが存在する訳だが写真集にそのカメラが登場することは稀であるがこの写真集はその写真と共に写真機も登場する。ただの中古カメラの薀蓄話だけではないのだ。

1/125
Elliott Erwitt 著
ソシム
 「もうひとつのまなざし」とサブタイトルされたエリオット・アーウイットの写真集。
ユーモアとウイットと少しの皮肉。

LONDON Chasing the Dream
ハービー・山口 著
カラーフィールド インコーポレイテッド
 「夢を追いかけて」とタイトルされたロンドン滞在中に撮られた写真集。この先も写真を続けて行けるかどうか不安を抱えて過ごしたロンドン、まさしく夢を追いかけていた時代の写真です。2000冊限定出版のものですがグラビアアイドルものなら何万部と売れるのにハービー・山口と言えば有名だと思うのですがこの2000冊ですらなかなか売れないのですね。

木村伊兵衛 昭和を写す
木村伊兵衛 著
ちくま文庫
 ちくま文庫から発売されている全4巻のシリーズ
 この写真の中には懐かしいと感じるものもたくさんあります。年をとったと言うことでしょうか。昭和30年代までは戦後を引きずっていた時代なのですね。旦那芸の木村などと揶揄されますがやっぱりすごい写真家です。

     
次へ
 
ホームへ